電機大手8社決算、家電のリストラで明暗
2012年2月4日土曜日
電機大手8社決算、家電のリストラで明暗
- 2012/2/4 1:45
電機大手8社の2012年3月期連結決算は、パナソニックのほかシャープ、ソニー、NECが大幅な最終赤字となる。日立製作所、東芝、三 菱電機の総合電機3社は減益ながら安定収益を確保し、くっきりと明暗が分かれる。これまでのリストラ効果や収益源絞り込みの成否が、稼ぐ力の差につながっ ている。
予想純利益の額が最も大きいのは日立。前期比では16%減ながら、2000億円を稼ぎ出す見通しだ。10年3月期からテレビなど不採算部門のリストラに取り組み、「得意のインフラ関連事業へとシフトしてきた」(中西宏明社長)ことが実を結ぶ。
東芝、三菱電も最終黒字を確保し、営業利益は2000億円規模となる見通し。インフラ事業などが伸び、家電部門の落ち込みを補う。3社はリーマン・ショック直後の09年3月期に合計1兆円超の最終赤字となったが、今期は3650億円の黒字見通しだ。
富士通は国内シェア首位のIT(情報技術)サービスが安定し、黒字を確保する。
これに対し、テレビ事業の不振が業績を直撃するパナソニック、シャープは今期の最終赤字が過去最大となる。ソニーは4期連続の赤字となる。
3社は09年3月期にも合計6000億円強の最終赤字に陥ったが、今期の赤字は合計1兆2900億円にのぼり、リーマン・ショック後を上回る苦境だ。「リストラ不足」も否めず、収益回復に手間どるようだと、生き残りを賭けた合従連衡が現実味を帯びてくる。
売上高 | 最終損益 | ||
総 合 電 機 | 日立製作所※ | 6兆8376( 1) | 852( ▲61) |
---|---|---|---|
9兆5000( 2) | 2,000( ▲16) | ||
三菱電機※ | 2兆5603( ▲2) | 820( ▲30) | |
3兆6700( 1) | 1,000( ▲20) | ||
東芝※ | 4兆3538( ▲7) | 120( ▲70) | |
6兆2000( ▲3) | 650( ▲53) | ||
家 電 | ソニー※ | 4兆8927(▲13) | ▲2,014(赤字転落) |
6兆4000(▲11) | ▲2,200(連続赤字) | ||
シャープ | 1兆9036(▲18) | ▲2,135(赤字転落) | |
2兆5500(▲16) | ▲2,900(赤字転落) | ||
パナソニック※ | 5兆9653(▲10) | ▲3,338(赤字転落) | |
8兆 ( ▲8) | ▲7,800(赤字転落) | ||
情 報 通 信 | 富士通 | 3兆1720( ▲2) | 14( ▲96) |
4兆4900( ▲1) | 350( ▲36) | ||
NEC | 2兆1122( ▲4) | ▲975(連続赤字) | |
3兆1000( ▲0) | ▲1,000(連続赤字) |
上段は2011年4~12月期実績、下段は12年3月期通期見通し。億円。カッコ内は前年同期比増減率%、▲は減または赤字、※は米国会計基準