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農業改革をコップの中の嵐にするな 2011/2/24付 日経

2011年2月24日木曜日

 国内農業の競争力を高める改革は日本にとって、待ったなしの課題である。
菅政権と民主党は大揺れだが、国民経済の屋台骨である農業の改革は、政争と切り離してしっかり進めなければならない。

今週中にも開く政府の「食と農林漁業の再生実現会議」が、改革を実現できるかどうかを左右する大きなヤマ場となる。同会議は、昨年11月からの議論を3月中に中間整理することになっており、今回の会合で、実質的な改革の流れが決まる可能性があるからだ。

新制度の細かい点を固めるのは難しくても、日本の農業のあるべき姿を大きく描くことはできるはずだ。自ら実現会議の議長を務める菅直人首相と、学界、経済界からの会議参加者に、改革の方向が見える形で論点整理を期待したい。

菅首相は「平成の開国」を宣言し環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を目指している。そのTPPに加わるには、国内の農産物市場を段階的に開放していくことが条件となる。着実に改革を進め、農業貿易の自由化に耐えられる農業を築かなければならない。

TPPへの反対論は農家の間で根強い。その最大の理由は、日本の農業が今後どうなっていくか見えないからだ。競争力を高める道筋を政府が示せないままでは、農家が市場開放に不安を抱くのは当然である。

当面の競争力不足を補うために、農家を支援する方策も示す必要がある。農家への戸別所得補償の制度を生産性を向上させる方向で改正し、そのために必要な財源について実現可能な道を示すべきだ。

特にコメや麦など土地を多く利用する型の農業を強化する策が欠かせない。零細農家が農地を貸し出し、大規模な担い手に集まる仕組みをつくるべきだ。競争を通じて生産性を上げるには、これまでの減反政策を見直し、農業協同組合への独占禁止法の適用を拡大する必要がある。

菅政権と政府は、4月の統一地方選前に改革の方針を明確にし、有権者に政権の姿勢を示すのが筋だろう。農家や農業団体の反発を恐れ、現時点 で改革の姿勢を強く打ち出すのが得策ではないと考えるとすれば、大きな誤りだ。次世代の農業の担い手を含めて、多くの国民は農業改革を先送りにしてきた政 治の姿勢こそ問題と感じているからだ。

担い手の高齢化で日本の農業は存亡の危機にあるが、競争力のある農産物をつくり輸出を促進することなどで強い農業に変わるのも可能なはずだ。今こそ改革を急ぐときだ。

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攻めで最高益の米IT企業 2011/1/23付

2011年1月25日火曜日

 米国のIT(情報技術)企業が2010年10~12月期の決算で、相次ぎ最高益を発表している。合理化で利益を捻出する守りの経営ではなく、世界中で売り上げを伸ばす攻めの結果である点に注目したい。

 前年同期比48%増の33億ドルの純利益をあげたインテルは、インターネット上の情報交換に欠かせない、サーバーとよばれる業務用コンピューターの事業が好調だった。

 背景にあるのは、米国を起点として世界に広がる企業の情報管理や個人の消費スタイルの変化だ。

 企業の間では、ネット経由で情報やソフトを使うクラウドコンピューティングが活用されている。音楽や書籍をデータとして購入する個人も爆発 的に増えている。情報やデータを提供するサーバーの作動に欠かせないMPU(超小型演算処理装置)で、インテルは大きな市場占有率を持っている。

 情報を蓄える川上で潤ったのがインテルなら、個人がデータを受信する川下で輝いたのがアップルだ。データを受け取るための高機能携帯電話 「iPhone(アイフォーン)」関連の売り上げが104億ドルと9割近く伸びたうえ、昨年4月に発売した多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」も 46億ドルの収入をもたらした。その結果、純利益は60億ドルと78%増えた。

 アップルが先行する高機能携帯電話などの分野で、パソコン向け部品に強いインテルは劣勢が伝えられてきた。そこでインテルは今年から、そう した携帯端末向けの部品供給を本格化する。米マイクロソフトと組むことにより確立した、「ウィンテル」と呼ばれるIT産業の世界標準は崩れ去った。

 そうした産業構造の変化とともに見逃せないのが、アジアをはじめとする新興国が米企業を支える構図だ。IBMの売り上げの2割強を占めるアジア・太平洋地域の増収率は14%と欧米を上回った。

 金融危機後の合理化により、米大企業は2兆ドルの現金資産を抱えた。IT企業からは、成長を加速させるため買収などにお金を投じる意向を表明する声も聞かれる。同様に多額の資金を持つ日本企業も出遅れることなく、攻勢に転じたい。

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TPP交渉への動きが遅すぎる菅政権 2011/1/24付

菅直人首相は外交政策の演説で、貿易や投資を自由化する環太平洋経済連携協定(TPP)について「6月をめどに交渉参加の結論を出す」と語った。米国や東アジア各国との関係強化を目指す方向に間違いはない。問題は、いつまでに何を実行するかという時間感覚だ。

 TPPをめぐる日米2国間の協議で分かったことは、米国やシンガポール、ベトナムなど現在9カ国が参加するTPP交渉が、日本の想像以上の速さで進んでいる現実である。米国は今年11月までの交渉決着を目指し、既に協定文の原案づくりが始まっている。

 9カ国は今月、相互の関税撤廃に関する具体的な提案の交換に入り、2月には各国の案が出そろう。3月には、さらに投資やサービス分野の提案が始まる。これらと並行して、人の移動や知的財産権の保護、政府調達などの分野で、新しい通商ルールづくりが進みつつある。

 日本が6月に交渉参加の意思を決めても、それまでには日本不在のまま協定の骨格が固まっている可能性がある。既に出来上がった協定を日本が受け入れるのではなく、早急に交渉に参加して、日本の主張を協定内容に反映させるべきだ。

 菅政権の動きは遅すぎる。菅政権が結論を6月まで先送りしたのは、農業改革の議論に時間を費やそうという判断からだろう。だが、農業関係者からの反発や4月の統一地方選への影響を気にするあまり、加速するTPP交渉の現実から目を背ければ、改革の好機も逸してしまう。

 菅首相は外交演説で「日本の農業は貿易の自由化が進む進まないにかかわらず、このままでは衰退の一途を遂げる」との問題認識を示した。その考えに基づけば、議論をしながら交渉参加の判断の時を待つのではなく、衰退を防ぐ農業改革を直ちに実行すべきではないか。

 TPP参加に消極的な意見は地方で強い。たしかに農産物の市場をいま直ちに完全に開放すれば、国内農業に影響が出るだろう。だが、TPP交渉への参加は、関税の即時撤廃を意味するわけではない。米国など現在の交渉国が想定しているのは、段階的な市場開放である。

 地方に残る不安や誤解を解消するため、菅政権は「開国」の看板を掲げるだけでなく、貿易自由化の経済効果やTPPの仕組みについて、説明を尽くすべきだ。いま日本に必要なのは、強い農業を築く政策への転換である。改革から逃げる時間かせぎや、「農業壊滅」などと危機感をあおる政治のゲームは不毛だ。

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菅新政権の「脱小沢」の看板は本物か 2010/6/8付

2010年6月11日金曜日

 菅直人新首相(民主党代表)の下での民主党役員人事が決まり、8日に発足する新内閣の全閣僚の顔ぶれも固まった。

 党務を担う幹事長には枝野幸男行政刷新相を起用した。小沢一郎前幹事長が廃止した政策調査会長ポストを復活し、玄葉光一郎氏を充てた。枝野、玄葉両氏はともに、小沢氏に批判的な「七奉行」の一員だ。

 同じ「七奉行」の仙谷由人氏の官房長官就任と合わせ、菅新首相は閣僚・党役員人事で「脱小沢」を強く印象づけた。一連の人事を好感し、各種世論調査で、民主党への支持率は急回復しているが、新執行部は懸案の小沢氏の国会招致問題などで実行力が問われる。

 小沢氏批判の急先鋒(せんぽう)だった枝野氏の幹事長起用には、小沢氏に近い議員だけでなく、菅グループからも異論が出ていた。しかし菅新首相は「選挙の顔」として、枝野氏の起用にこだわった。

 弁護士出身の枝野氏は論客として知られる。46歳の若さもあって、テレビの討論番組などで民主党の出直しを訴えるには適任だろう。ただ選挙や国会対策の手腕は未知数だ。

 玄葉政調会長は、小沢氏に党政調の復活を求める運動の中心メンバーだった。政調が廃止された小沢執行部では、党内の政策論議がなく、幹事長室に権限が集中していた。

 玄葉氏は公務員制度改革担当相を兼務して入閣する見通しで、内閣の政策決定に党の意見を反映させる新たな仕組みづくりを担う。小沢氏という重しがなくなったため、寄り合い所帯とやゆされる党内の多様な意見をまとめる力量が求められる。

 菅新首相は代表選で争った樽床伸二氏を国会対策委員長に充てるなど、党内融和にも腐心した。しかし野田佳彦新財務相、蓮舫新行政刷新相や安住淳党選挙対策委員長ら他のポストの顔ぶれを見ても、小沢氏に距離を置く議員の重用が目立つ。

  鳩山政権が退陣した理由の一つは、鳩山由紀夫首相や小沢氏の「政治とカネ」の不祥事で、有権者の信頼を失ったことにある。とくに小沢氏は元秘書ら3人が政 治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で起訴されたにもかかわらず、国会で説明責任を果たしていない。野党側が小沢氏らの国会招致を求めるのは当然だ。

 枝野氏は小沢氏の政治倫理審査会出席問題について「本人の希望がベース」と述べ、慎重な考えを示した。しかし、それが許されるのか。枝野執行部が小沢氏の国会招致に取り組まなければ「脱小沢」の看板もすぐに色あせてしまうだろう。

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菅新首相は政策本位の政権運営目指せ 2010/6/5付

 民主党の菅直人氏が第94代首相に選出された。週明けにも組閣し、菅新内閣が発足する。

  昨年の衆院選の民主党マニフェスト(政権公約)では、財源の裏付けのない子ども手当の創設など、当面の選挙対策を優先した政策が目立った。鳩山政権発足後 も小沢一郎幹事長の選挙至上主義が、政策決定をゆがめた側面は否めない。菅新首相の誕生を機に、政策本位の政権運営に転換するよう強く求めたい。

党政調の復活は当然だ

  鳩山由紀夫首相はわずか8カ月半で退場した。鳩山氏は5月末に米軍普天間基地の移設問題を決着させるという約束を果たせず、社民党の連立離脱を招いたこと もあって、引責辞任に追い込まれた。鳩山、小沢両氏の「政治とカネ」の不祥事も響いた。菅新首相は有権者の信頼を取り戻し、統治能力のある政権の体制を整 える責任を負う。

 その際に重要なことは小沢氏の影響力を排除することである。鳩山氏は党務を完全に小沢氏に委ね、代表であるにもかかわらず党運営の蚊帳の外に置かれていた。

 党内では小沢氏が最高実力者と目されていた。内閣の下での政策決定の一元化という建前とは裏腹に、重要政策の決定に小沢氏が介入することもあった。党側の横やりで方針が二転三転した高速道路の新料金制度の迷走などを見れば、その弊害は明らかだろう。

  菅氏は4日の記者会見で内閣・党役員人事について「官邸の一体性、内閣の一体性、党の全員参加を目標にする」と述べるにとどまった。ただ3日の出馬記者会 見では小沢氏と距離を置く考えを示しており、内閣の要の官房長官には仙谷由人氏を起用する意向だ。仙谷氏は小沢氏に批判的な勢力の中心人物である。

  鳩山政権の政策決定が迷走した大きな理由は、鳩山氏の指導力不足とともに、首相官邸の調整力が弱かったことにある。菅新首相は閣僚に明確な指示を出して、 内閣の政策決定を主導してほしい。民主党が政権公約で掲げた閣僚委員会はほとんど機能しておらず、仙谷新官房長官の調整能力が試される。

  菅新首相は小沢氏が廃止した党政策調査会を復活させる考えを示している。政党が政策を議論する組織を持つのは当然であり、政調の復活を評価したい。小沢氏 一人が突出した存在だった党運営を改める象徴的な出来事といえる。民主党が当初、構想していたように政調会長が閣僚を兼務するのが筋である。

 鳩山政権では、経済財政担当を兼務した菅氏が、経済政策の司令塔を務めねばならない立場だった。しかし菅氏自身は、その経歴からみても適任だったとは言い難い。新政権では経済政策の司令塔役を誰に委ねるかが課題になる。

 政治主導の掛け声の下に、各省の政策決定は政務三役が中心になる体制に改められた。政治家が政策決定の責任を負うのは当然だが、省庁が蓄積したデータや官僚をうまく活用していない。政務三役には官僚を生かす度量がほしい。

  菅氏を代表に選んだ党代表選は政策論争がないまま終わった。4日の記者会見でも、菅新首相からは新政権のメッセージがほとんど伝わってこなかった。菅氏は 「強い経済、強い財政、強い社会保障を一体的に実現する」と強調しているが、将来の消費税の取り扱いなどを早急に肉付けし、具体案を示す責任がある。

政権公約の見直し急げ

 夏の参院選は迫っているが、菅新首相は党内で集中的に議論したうえで、自らの考えを参院選の公約に反映させなければならない。鳩山政権が準備した公約の中身をそのままにして、ただ表紙の顔を変えるだけでは有権者の理解は得られまい。

 鳩山首相は対米外交でつまずいた。この教訓を生かし、亀裂が生じた日米同盟の立て直しが急務だ。菅新首相は日米関係を外交の基軸にすえると同時に、中国との関係を重視する考えを示している。日米と日中を並列に置くようにも受け取れる。

 台頭する中国と良好な関係を築くことが、日本の最優先課題のひとつであることは確かだ。しかし日中間には東シナ海のガス田開発問題などの火種がくすぶり、中国の軍拡はアジア諸国の懸念を招いている。

 中国に責任ある行動を促し、安定した日中関係を築くには日米同盟の後ろ盾が必要である。菅新首相は普天間基地移設をめぐる先の日米合意を着実に実行し、対中政策でも日米が緊密に協調できる関係を築いてもらいたい。

 韓国哨戒艦の沈没事件を受け、緊迫する朝鮮半島の情勢からも目が離せない。鳩山政権は独自制裁の強化を決め、北朝鮮に圧力を加える姿勢を鮮明にした。この路線は北朝鮮側からの軍事挑発にも対応できる体制があって初めて成立する。新政権には万全の危機管理を求めたい。

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人材立国ふたたび(最終回)異能や奇才を発掘し、育て、生かそう 日経 2010/5/17付

2010年5月21日金曜日

 アニメなどの日本文化を産業化しようとする試みが盛んだ。独創性や創造力がカギになる。異能の人物や奇才をどう発掘、活用するか。生きた文化が勝負の異能経済では何が花開くか予測できない。才能の自由市場こそが求められる。

 埼玉県久喜市の鷲宮神社に今年、45万人の初詣で客が訪れた。4年前の5倍に増えた理由は、女子高校生の日常を描くテレビアニメ「らき☆すた」。中心となる4人組のうち2人が神主の娘という設定で、モデルになったこの神社も毎回登場する。

自動車ショーに匹敵

 このアニメは「Lucky Star」の題でインターネットを通じ海外にもファンを広げた。ファンが登場人物を描いて神社に奉納した絵馬には、英語や中国語、韓国語の書き込みも珍しくない。

 かつて米国は映像文化を通じて米国のライフスタイルを世界に浸透させた。ホームドラマを見た日本人は大型冷蔵庫やマイカーにあこがれ、青春映画を通じコカ・コーラやジーンズにしびれた。ジャズやロックにもなじみ、ニューヨークやロサンゼルスをいつか観光したいと願った。

 いま日本のアニメや漫画は、当時の米国映画と同じ位置にある。パリで毎夏開かれる漫画やアニメの見本市「ジャパンエキスポ」に、昨年は16万人が集まった。米国やアジアでも同じような催しが人を集める。

 アニメ人気はファッションにも波及し始めた。作品に登場する服を扱うネットの通信販売では、1~2割が海外からの注文という店もある。キャラクター商品の代表「ハローキティ」をあしらった雑貨もアジアや欧州の女性たちが愛用する。

 文化の競争力を支えるのは人材だ。若者が才能を発揮できる場が欠かせない。同人誌や自作模型の即売会は日本各地で盛り上がり、海外からの参加者も多い。出版社や雑貨会社もここで人材を探す。ある漫画同人誌の即売会は56万人を集め、東京モーターショーの62万人に迫る。

 自由と創造性が成長につながるのは、出版やファッションなど一部の文化系産業だけではない。

  米国の都市経済学者リチャード・フロリダ氏は「国や企業の競争力の源泉は人々の創造性だ」と分析する。映像・デザインから商品開発、科学、金融まで、創造 性にあふれる人を世界中から集めた米国。従業員が「カイゼン活動」を通じ、最大限の創造性を発揮したかつてのトヨタ自動車。これらはその好例という。

 今の日本企業は手元の「才」を十分に生かしているだろうか。

  iPodなどのヒット商品を生んだ米アップルはデザインを競争力の柱に据える。少数精鋭のデザイン部門に勤める西堀晋氏は、かつて松下電器産業(現パナソ ニック)の社員だった。独創的なラジカセなどを世に出したが、1998年に退職。京都でカフェを経営しつつ個性的な音響機器や生活雑貨を作る中でアップル にスカウトされ、渡米した。

  日本人デザイナーが日本企業から安い料金で受注しようと上海にデザイン事務所を構えたら、実際には「高額を払っても日本人による質の高いデザインを求めた い」という中国企業からの注文が増えた。デザイン部門を日本の大手企業が縮小する一方で、韓国のサムスン電子などは強化している――デザイン産業の動向に 詳しい紺野登・多摩大学大学院教授は、こう警鐘を鳴らす。

成長の種を捨てるな

 創造性を生かした成功例はもちろんある。昔風の外観で当たった日産自動車の「キューブ」。開発では、女性担当者が技術者を連れ、原宿の若者を見せて回った。「速い」車を作りたい技術者に、最近の若い男性の「のんびり」志向を服やふるまいから感じ取ってもらったのだ。

  資生堂の化粧品「マジョリカマジョルカ」は10代後半から20歳前後の女性に支持された。魔法や魔女を主題に、中世の紋章のような模様をつけ、名は呪文 (じゅもん)風。透明感と高級感を訴える通常の化粧品の売り方とは逆だ。幻想小説に通じる印象は20代の女性社員が中心となってつくった。

  書店チェーンのヴィレッジヴァンガードコーポレーションは、若い店員に本と雑貨を組み合わせた売り場を自由奔放に作らせる。飲食店経営のダイヤモンドダイ ニングは、店長予定者らのひらめきをもとに店名や料理を決めている。若者の本離れや外食業不振の中で、両社とも増収増益を続けている。

 単発的なヒットや新進企業の取り組みをどう広げるか。長期停滞といわれる時代に、内外でかえって日本人の創造性に関心が高まった。せっかくの好機を生かす企業の知恵が問われる。

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みずほの「次の10年」の行方  日経2010/5/16付

 総合金融大手のみずほフィナンシャルグループが、普通株による8000億円の増資を発表した。経営の改革案やグループの3会長の退任も公表することにより、みずほの変わる姿勢を示そうとした。変身できるかどうかは資本の充実だけでなく、グループの融合にかかっている。

 増資の背景には、銀行の自己資本比率に関する新規制がある。バーゼル銀行監督委員会は、融資などのリスク資産に対して、配当を機動的に減らせる普通株や利益蓄積などで構成する「狭義の自己資本」を、厚く積むよう求める方向だ。

 リーマン・ショック以降、三菱UFJと三井住友の2グループは2回の普通株増資に踏み切った。みずほは09年7月に次いで今回が2度目。自己資本が厚くなれば、資本規制が強化されても、企業に成長資金を供給する機能を保つことができる。

 株式市場が不安定な中で円滑に増資を進めるには、中期的な成長の見取り図の提示が欠かせない。改革案は3年間で連結最終利益を2倍に増やす計画を打ち出した。目標を達成するには、収益の見込める分野に機動的に打って出られるよう、グループ経営の無駄をなくす必要がある。

 持ち株会社の前田晃伸会長、みずほコーポレート銀行の斎藤宏会長、みずほ銀行の杉山清次会長が退任する。それぞれ旧富士銀行、旧日本興業銀行、旧第一勧業銀行の出身だ。旧3行の実力者が長く経営にとどまっては、融合も進めにくい。

 3会長の退任は、経営の効率を高めるきっかけになりうる。管理部門やIT(情報技術)システムなど目に見えにくい部分だけでなく、傘下の2つの銀行の統合を検討する時も近づいているのではないか。

  旧3行が今の持ち株会社の前身「みずほホールディングス」を設立したのは、10年前だった。世界有数の規模を誇る金融グループの誕生は、個人から大企業ま で幅広い金融サービスを提供し、経済の活性化につながると期待された。03年に多くの取引先が総額約1兆円の増資に応じたのも、そうした気持ちの表れだ。

 旧3行の個別の利害を超えた経営の実現は、当時から指摘された課題だ。みずほが次の10年に踏み出す今も、まったく同じことが言える。

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光回線の利用拡大へ規制や料金を見直せ 日経 2010/5/16付

 鳩山政権の情報通信政策が動き出した。IT(情報技術)戦略本部が国民番号制度などを軸とする新戦略を策定し、総務省も光回線を全世帯に広める「光の道」構想の具体案をまとめた。情報通信分野は日本の経済成長を促す要の一つであり、着実に成果をあげる必要がある。

 IT本部の新戦略は、電子政府を広め、環境やエネルギー分野などに情報技術を活用する方針を掲げた。年金など自分の情報を個人が管理できる番号制度を導入し、2013年までに国民の半数以上がコンビニや郵便局などの行政端末で様々な電子手続きができるようにする。

 総務省が掲げる「光の道」では、15年までに光回線などの高速ネット環境を全世帯に普及させ、医療や教育分野などへの利用を促す。山間部など商用サービスが難しい地域には公的な資金も投入する考えだ。

 だが、高速ネットの利用を増やすには、インフラ整備に加え、それを使った新しいサービスをつくり出す必要がある。すでに全世帯の9割が光回線を利用できるのに、契約者が3割にとどまっているのは、動画を見る以外に高速ネットを必要とするサービスが見あたらないからだ。

 光回線を使えば、遠く離れた場所を結んだ医療や教育、在宅勤務などができるようになる。ところが、法律で対面の手続きを義務づけているなど規制が多く、光回線の活用が遅れている。もっと使えるようにするために、法改正も含めた規制緩和を並行して進める必要がある。

 通信料の引き下げも重要だ。光回線の利用世帯は1700万を超えたが、ADSLも1千万世帯ある。ADSLは送り手側の速度が遅く、医療や教育など双方向でたくさんの情報を送るには適さない。ADSLから光への転換を進めるには、料金の大幅な引き下げが不可欠だろう。

 総務省は光回線の料金を下げるため、基幹通信網から家庭までの接続網をNTTから切り離す案も検討した。結論は1年先送りとなったため、NTTには光回線の敷設・運営コストを開示させ、経営改善による料金引き下げを求めるべきだ。

 すべての世帯が高速ネットを利用できるようにするには、高速無線技術などの手段も重要だ。電話はNTTに全国一律のサービスを義務づけており、不採算地域のコストは基金を通じ通信事業者全体で負担している。高速ネットに同様な措置を導入することも、一案だろう。

 日本が得意とする光通信の分野で世界を先導するには、利用をもっと促す知恵と方策が要る。

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43歳に明日を託した英国  日経2010/5/15付

 英国の総選挙を受けて誕生したキャメロン新政権が、沈滞していた同国の空気を変えつつある。国内では政権発足の翌日に、中央銀行総裁から歳出削減への支持を取りつけ、米英外相会談でイランの核問題を協議することも決めた。

  英国民が選択したのは政治指導者の「若さ」である。第1党となった保守党のキャメロン党首と、副首相に就任した自由民主党のクレッグ党首は、ともに43 歳。敗れた労働党のブラウン前首相は59歳だ。各党の政策の違い以上に、指導者の新鮮さが勝敗を左右したとみるべきだろう。

 キャメロン氏は、就任時に44歳直前だったブレア元首相を抜き、19世紀初頭のジェンキンソン首相以降で最も若い英国の首相となる。

 新閣僚の顔ぶれも若い。38歳のオズボーン財務相を筆頭に、ヘイグ外相が49歳、フォックス国防相は48歳である。経験が必要な分野にベテランを配しながら、政権の中核は30~40代が担っている。

 新政権に課題と不安が多いのは事実だ。財政赤字を減らす具体的な方策では、保守党と自民党の意見調整は簡単ではない。選挙制度改革をめぐる対立点も残っている。欧州連合(EU)との関係についても、両党の基本的な立場に隔たりがある。

 同床異夢の連立政権を運営していくには、さまざまな困難が伴うだろう。だが、今回の政治の世代交代によって、金融危機後に閉塞(へいそく)感が漂っていた英国社会に明るい変化が出ることが期待できる。

 国民が政治の刷新を求めたのは、日本も同じである。しかし、若返りを果たした英国とは対照的に、昨年9月に発足した当初の鳩山内閣の閣僚平均年齢は60歳を超えていた。

 次世代の活躍を待望する声が多くても、安心して政治を委ねられる若手が見あたらない。常に新しい指導者を育てながら、必要な局面での世代交代に備える。そんな新陳代謝の仕組みが、日本の政界に欠けているのではないか。

 若さは時に経験不足を意味する。だが、過去のしがらみや成功体験にとらわれないからこそ、時代が要請する改革を実行できる場合もある。政党政治の歴史を築いてきた英国から、日本が学ぶべき点は多い。

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日経社説 郵貯拡大を追認した首相の責任は重い 2010/4/1付

2010年4月2日金曜日

 自らの指導力不足で広がった閣内の混乱を「自分のリーダーシップ」で鎮めたと言い張る。そんな鳩山由紀夫首相の言葉が空々しく響く。

 政府は30日の閣僚懇談会で、閣内で不一致が起きた郵政事業の見直し案を協議した。首相は亀井静香郵政・金融担当相と原口一博総務相で合意した原案通りに進めるよう指示し、混乱を決着させた。

 郵便貯金や簡易保険の限度額をいまの2倍程度に上げる見直し案に、仙谷由人国家戦略相は金融をゆがめると反発した。菅直人副総理・財務相も日本郵政グループ内の取引で消費税を免除する構想を批判した。

 だが、郵便局を支持母体とする国民新党を率いる亀井氏は、意見調整は政策会議で尽くしたと突き放し、大枠を譲る構えを見せなかった。

 首相自身もふらふらした。亀井、原口両氏の案に一度は「了承したということではない」と語ったものの、最後は亀井氏らの決定を擁護して、おひざ元の民主党内の反発を封じた。指導力の欠如は明らかである。

 首相が決着を急いだ背景は2つ考えられる。まず、閣内の混乱が長引けば、首相の指導力不足が一段とはっきりしかねない。第二に夏の参院選で郵政票を握る国民新党との選挙協力が欠かせないとの思惑である。

 民主党は2005年の衆院選で郵貯限度額の引き下げを公約した。仙谷氏のように当時との矛盾を指摘する声が出るのは当然だ。郵貯などの拡大で「民から官」への転換を認めるかどうかで議論を尽くすべきだが、自らの体面を首相は優先した。

 政府は今回の合意を「郵政改革法案」として国会に提出する。郵便事業や郵便局会社を統合する親会社の日本郵政では政府が3分の1超の株式を持ち続け、ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険には親会社が3分の1超の出資を続ける。

 国の経営関与を残して郵貯や簡保の拡大を認めれば「暗黙の政府保証」をあてにして、民間の中小金融機関から資金シフトが起きかねない。郵貯残高が増えれば国債の引き受けに回り、財政規律の緩みにもつながる。資金の「出口」となる政府系金融の肥大化も懸念される。

 非効率な官製金融の再拡大を追認した首相の責任は重い。郵貯などに資金集中が起きれば限度額を変えるというが、朝令暮改の対応は預金者を混乱させる。現実性は乏しい。

 政府持ち株売却の段取りや、見直し後の郵政事業の預金や収益の見通しについて、亀井氏らは説明を避けている。疑問に答えず、強引に立法化を進めることは許されない。


http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE2E7E2E2E0EBE1E2E2E3E2E6E0E2E3E28297EAE2E2E3?n_cid=DSANY001

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日経社説 民主に郵政逆走を止める気はあるか(3/30)

2010年3月30日火曜日

 鳩山民主党政権は「官から民」を進めるのか、それとも「民から官」への逆走を黙認するのか。郵政事業の今後を巡る深刻な閣内対立をどう解くかで、方向がはっきりする。

 発端は国民新党代表の亀井静香郵政担当相と民主の原口一博総務相が合意した郵政見直し案である。

 亀井氏は24日、原口氏同席の記者会見で、郵便貯金の預入限度額をいまの2倍の2000万円に上げるなどの案を発表した。「鳩山由紀夫首相も了解ずみ」と念を押した。

 亀井氏はこのほか、日本郵政のグループ内取引で消費税を免除する意向も示した。

 これに仙谷由人国家戦略相や菅直人副総理・財務相ら民主党の閣僚が一斉に反発した。亀井、菅の両氏は郵貯限度額を巡り「連絡した」「聞いていない」とテレビ番組でも水掛け論になった。内閣としてのまとまりを欠き、醜態をさらした。

 30日の閣僚懇談会で打開策を探るが、露呈した与党内の基本的な路線対立が簡単に収まる兆しはない。

 亀井氏は小泉政権の郵政民営化を全否定し、全国郵便局長会を支持母体とする国民新党を率いる。郵貯や簡易保険の規模拡大で、全国一律の郵便・金融サービスの原資をまかなう考え方だ。民間金融機関の活力を奪い、非効率な官製金融を温存させるおそれがある。

 民主党は2005年の衆院選で郵貯限度額を段階的に500万円に下げる縮小論を主張した。今回の案は正反対だ。仙谷氏は郵貯拡大でもほとんどが国債に回り、それが経済にゆがみをもたらすと指摘した。

 まっとうな主張だが、いまになるまでなぜ口を閉ざしていたのか。

 政府内の混乱が増幅したのは、郵政事業の将来像について定見を示さない首相の指導力不足が大きい。米軍普天間基地の移設先をめぐる迷走と同じ構図だ。政権としての意志がみえず、意見調整も十分に機能していない。

 鳩山政権は連立を組む社民党や国民新党の主張にも耳を傾けざるをえない立場にある。だが、政府の関与が続く郵貯を膨らませ「脱官僚依存」を後退させれば、有権者の失望を買うだけだ。

 首相や閣僚は日本の金融システムの中で郵政をどう位置付けるか、もう一度原点に立ち返って議論すべきだ。特に民主党には改革の「逆走」とも言うべき流れを本当に止める気があるかどうかが問われる。

 限度額の引き上げ幅を縮めたり、結論を先送りしたりして当座をしのいでも、何の解決にもならない。


日本経済新聞全文引用
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A9693819699E0EBE2E2E68DE0EBE2E1E0E2E3E28297EAE2E2E3?n_cid=DSANY001

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日経社説 エコカーへの期待高める日欧3社提携(3/26)

2010年3月28日日曜日

 日産自動車が独ダイムラーと相互出資交渉を進めていることを明らかにした。日産の筆頭株主でもある仏ルノーも加わり、3社連合で環境技術の開発を強化するという。

 自動車メーカーにとって、二酸化炭素(CO2)の排出の少ない環境対応車の開発は最大の社会的責任であるばかりでなく、売れ筋でもある。新たな提携によって、環境技術の開発・実用化に弾みがつくことを期待したい。

 一昨年のリーマン・ショック以降、自動車産業は数々の激震に見舞われた。世界最大のメーカーだった米ゼネラル・モーターズ(GM)は法的整理の道をたどり、世界最強とされたトヨタ自動車も大量リコール問題でつまずいた。

 世界市場の重心も西から東に移動し、米欧市場が足踏みする一方で、中国やインドなどアジアの新市場が急速に成長している。技術面では100年続いたガソリンエンジン一辺倒の時代が終わり、ハイブリッド車や電気自動車など環境対応車をめぐる競争が幕開けした。

 個々のメーカーにとって急激な環境変化への対応は待ったなしだ。昨年末にはスズキと独フォルクスワーゲンが提携し、両社あわせればトヨタを上回る巨大連合が誕生した。

 日産・ルノーとダイムラーの提携交渉も、背景にあるのは規模拡大やライバルとの協力によって激震を乗り切ろうという経営トップの意志だ。日産のカルロス・ゴーン社長はここ数年、GMや米クライスラーとの提携に意欲を燃やしたが、実を結ばなかった。

  次の提携相手として、ダイムラーに注目したのは、もともと研究開発の地力があるうえに、ディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたディーゼルハイブリッ ドなどに優れるからだろう。日産・ルノーに一日の長がある電気自動車と組み合わせれば、次世代エコカー技術の厚みが増すことになる。

 積極的に提携戦略を仕掛ける日産に比べると、トヨタとホンダの2社は「自前主義」を掲げ、他社との提携にはさほど関心を示してない。

 1990年代末に加速した前回の自動車再編ブームではダイムラー・クライスラーなどの大型合併は失敗したのに対し、派手な再編に背を向けて、自社の実力向上に専念したトヨタやホンダが飛躍した。

 提携や再編はそれ自体が目的ではない。日産再生で一時はカリスマ経営者ともてはやされたゴーン社長が提携を実現に導き、その成果をどう生み出すかに注目したい。

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日経社説 多すぎる空港の「選択と集中」を進めよ(3/12)

2010年3月12日金曜日

 国内で98番目の空港となる茨城空港が11日、開港した。関係者は「羽田、成田に続く首都圏の第3空港」と意気込むが、就航の決まった定期路線は神戸とソウルの2路線だけで、苦戦は免れそうにない。

 全国には茨城に限らず、需要見通しが甘かった空港が目立つ。国土交通省によると、開港前などに需要予測を出した75空港のうち、直近の国内線利用実績が予測を上回ったのは8空港にとどまった。

 空港を建設したいがために、あえて高めの予測数字をつくった。そう批判されても仕方がない。

 「多すぎる空港」はそこに就航する航空会社にも重荷となる。日本航空の経営が行き詰まったのも、収益性の低い地方路線の開設・維持を政官から迫られたことが一因だ。

 各空港はまず経営の効率化に努めなければならない。茨城空港は建設費を切り詰めた結果、羽田などに比べ着陸料などをかなり安く設定できた。この価格競争力を武器に、格安航空会社を呼び込みたい考えだ。

 関西国際空港は24時間運営の強みを生かして、航空貨物需要の開拓に力を入れるという。

 こうした努力を重ねても、多くの空港は採算に合うほどの需要は見込めないとみられる。空港の「選択と集中」は避けられない。関西には関空をはじめ主要空港が3つあるが、そもそも需要に対して設備過剰ではないか。公的資金による赤字補てんをいつまでも続けるわけにはいかないと関係者は銘記すべきだ。

 空港リストラを進めるうえで欠かせないのが経営のガラス張り化だ。国土交通省は昨夏初めて国管理空港の個別収支の試算を公表した。これは評価できるが、加えて別会計になっていることの多い付随の空港ターミナルビル会社などを含めた総合的な収支の開示が必要だ。

 空港そのものの収支は赤字で、その補てんに公的資金が使われているにもかかわらず、空港ビル会社は賃貸料や駐車場事業で利益を出し、天下りを受け入れている事例もある。適切な情報公開は非効率を一掃するための大切な一歩である。

 充実した「空のネットワーク」はその国が国際社会で存在感を発揮するために不可欠のインフラだ。韓国のように航空を戦略産業に位置付けている国も多い。

 日本では割高な着陸料など空港・航空はむしろ全体の足を引っ張る存在だ。日航再建で法的整理という大胆な手法を選んだ民主党政権には、空港政策の見直しについても思い切った指導力を求めたい。


NIKKEI NET 全文引用

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日経社説 IT産業で日本の存在感低下が心配だ(3/9)

2010年3月9日火曜日

 IT(情報技術)産業は世界で大きな成長を続けているが、その中で日本企業の影が薄くなっている。成長分野における日本の存在感低下は懸念すべき事態である。

 先週ドイツで開かれた欧州最大のIT見本市「CeBIT」に、かつて主役だった日本企業の出展はほとんどなかった。代わりに目立ったのは、中国や韓国の企業だ。

 見本市には約4200社が出展。ドイツテレコムやIBM、マイクロソフト、ボーダフォンなど欧米有力企業が大規模な展示を競ったのに対し、以前なら 100社を超えた日本からの出展は今回わずか6社だけだった。対照的に中国、台湾、香港の企業は合わせて680社、現地法人などを含めると1千社に達し た。

 日本の存在感が薄れた理由はいくつか考えられる。今回のテーマ「つながる世界」が示すように、ITの主力分野はハードからソフトやサービスに急速に移り つつある。ものづくりを得意とした日本は国内仕様の技術や規格にこだわり、ネット時代に移行するにつれ国際標準に乗り遅れてしまったという構図だ。

 夏にベルリンで家電見本市が開かれるため、ソニーなどがそちらに重点を移した面もある。だが、スマートフォンや電子書籍端末、3次元(3D)の立体表示装置などが注目される中で、中国や韓国の企業が様々な新製品を発表し、ハードの分野でも日本企業の影が薄れている。

 日本企業の国際感覚も問われている。様々な国際展示会で最近、中国や韓国の経営者が頻繁に講演しているのに、日本企業のトップは見あたらない。記者説明は現地任せが多く、経費節減を優先して本社の人間が現地を訪れる機会も激減した。

 日本最大のIT企業グループであるNTTも2005年を最後にCeBITへの出展をやめた。会場には顧客となる世界の有力企業約280社の最高情報責任 者(CIO)が集ったが、「次世代ネットワーク(NGN)」など日本が持てる新技術をそうした場で示さなければ、世界市場に打って出るのは難しいだろう。

 IT分野では企業や消費者向けの製品やサービスに加え、今後はスマートグリッド(次世代送電網)などインフラ分野の需要も拡大する。環境技術で日本は先行しているとされるが、こうした国際展示会でも日本企業の姿はほとんど見かけない。

 政府にも国際競争力を強める戦略が見えない。日本の存在感を高めるには、新しい技術や製品の開発とともに、それを海外に示す機会を増やし技術力を訴える努力が必要だ。

全文引用 NIKKEI NET
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20100308ASDK0800708032010.html

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日経社説 受動喫煙の防止策を急ごう(3/8)

2010年3月8日月曜日

他人が吸うたばこの煙で深刻な健康被害にあう。そんなことがあってはならない。

 厚生労働省はそうした受動喫煙の被害を防ぐため、病院や飲食店などの公共施設を原則として禁煙とするよう各地方自治体に通知した。神奈川県は飲食店などに禁煙か分煙を罰則つきで義務付ける「受動喫煙防止条例」を4月から施行する。

 たばこは禁制品ではないので「吸う自由」を尊重し、吸える場所を用意する必要がある。だが、たばこは約200種類の有害物質を含み、肺気腫や肺がんなどの原因になる。喫煙しない人にはとても迷惑だ。

 国や自治体が規制するだけでなく飲食店や商店などは、進んで受動喫煙を防ぐ努力をしてほしい。

 厚労省の通知は官公庁や病院を全面禁煙が望ましいとし、飲食店などで営業に大きな支障が及ぶ場合「分煙など」の対応を求めた。分煙では喫煙・禁煙両区域の境に仕切りを設け、煙が禁煙の区域に流れ込まないように促している。

 飲食店などが喫煙者だけを受け入れることにし、そのことを看板などに表示していれば「分煙など」と同じにみなし認めると同省はいう。

 ただしこの通知の内容はあいまいな部分が多いうえ、罰則がないので強制力に欠ける。同省によれば、通知のもととなった健康増進法が受動喫煙防止を努力義務にとどめているので、法律を超えることまで通知に書けないのだという。

 神奈川県は小規模の飲食店などを除き、禁煙か分煙を義務付け、違反者には5万円以下(店の場合)の過料を科す。この方がすっきりするし飲食店がライバルをにらみながら禁煙にするかどうか悩むこともない。国も健康増進法を改正して受動喫煙防止を義務にすべきだ。

 また喫煙者の権利は尊重するとしても、成人男性の30%強という喫煙率は欧米と比べ高い。これは値段の差とも関係がある。たばこ税の増税で10月から1 箱100円程度の値上げとなる見通しだが、マイルドセブンはいま300円。ニューヨークの同程度の銘柄の949円、英国の856円に比べかなり安い。

 健康を守るため、一層の増税と値上げを考えてもよいのではないか。


全文引用 NIKKEI NET
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20100307ASDK0500506032010.html

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日経社説 大型連休の分散化に知恵を出し合おう(3/7)

2010年3月7日日曜日

 政府の観光立国推進本部が全国を5つの地域に分け、日程をずらした大型連休を春と秋に設ける試案をまとめた。渋滞や混雑を緩和し旅行需要を掘り起こすとともに、繁閑の集客の差を縮め、受け入れ側の生産性を高める狙いもある。

 実現へ課題は多いが、生活の質の向上と新産業の育成につながるよう各方面で知恵を出し合いたい。

 2008年度の国内旅行消費額は23兆円。観光産業の国内総生産(GDP)に占める比率は2.3%と電力・ガス・水道業を合わせた2.2%と並ぶ。人手がいるため雇用創出に貢献し、食材調達などで地方経済に寄与する。他の先進国に比べ成長余地はまだ大きいとみられる。

 悩みは週末、年末年始、お盆、5月の連休に客が集中することだ。

 観光業界は「休暇が分散すれば、混雑で旅をあきらめていた人も足を運ぶ」「正社員による質の高いサービスも提供しやすくなる」「季節の花や旬の食材など新たな魅力も宣伝できる」などの理由から、休暇の分散化を望んできた。

 フランスでは長年かけて有給休暇を増やす、地域で学校の休暇期間をずらすなどの休暇政策を進め、観光産業を育成してきた。地域別休暇では他の欧州諸国にも例がある。

 休暇の分散が消費者と業界の双方に利点があるのは間違いない。ただ今回の試案に不安の声も聞かれる。主な理由は2つある。

 一つは企業活動への影響だ。本・支社間の連絡、取引先との受発注、決済、納入など地域をまたぐ仕事は多い。手順の変更、ミス防止の努力がいる。効率低下の懸念もある。中小企業からは「結局、休みは取れないのでは」との声も上がる。

 もう一つは5月の一斉連休が消えるため帰省や単身赴任者の帰宅、遠方の家族との旅行に差し障る点だ。新制度でレジャー消費が減っては本末転倒だ。「国民の祝日」の意味をどう考えるかという問題も残る。

 政府は数年かけて議論した成長戦略である点を丁寧に説明し、産業界の理解と協力を得る必要がある。経済的な得失の試算もほしい。日本経団連は観光を新た な成長産業と位置付け、準備期間などを条件に休暇の分散化に賛成している。有給休暇の取得促進策とうまく組み合わせるといった工夫も考えられる。

 休暇分散の推進を前提に地域の線引き、地域以外での分け方、期間設定などに皆で知恵を出せば、もっといい案になるのではないか。今回の試案を「休みは皆で一斉」からの脱皮を探る契機に生かしたい。

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日経社説 電気自動車の国際標準を狙うEU(3/5)

2010年3月5日金曜日

 低炭素社会の輸送手段として期待される電気自動車について、技術の国際標準を獲得しようとする欧州連合(EU)の戦略的な動きが目立ってきた。新たな規格づくりで、日米欧や中国など主要国の間で主導権争いが高まるのは間違いない。

 欧州委員会がまとめた経済成長戦略「欧州2020」は、EU域内の研究開発投資を、2020年までに国内総生産(GDP)の3%とする目標を掲げた。とりわけ省エネルギー・環境の分野を重視し、域内の企業の技術革新を政策的に後押しする方向を明確にしている。

 環境分野でのEUの政策で日本が注目すべき点は、電気自動車の技術の標準化である。電池、充電器、送配電の設備など製品分野が広く、これらの工業規格や安全基準がどう決まるかが、企業の将来の競争力を大きく左右する可能性があるからだ。

 電気自動車は、道路沿いの充電スタンドや自分の住宅で充電し、車体の中の電池に電気を蓄える。ひとたび燃料を入れれば、独立して走ることができる現在のガソリン車やハイブリッド車と違い、頻繁に送配電網と接続しなければならない。

 このため電気自動車に関連する工業規格づくりは、電力のインフラ全体のあり方を考えながら進める必要がある。政府の関与や企業間の連携によるシステム全体の体制づくりが欠かせない。

 例えば充電プラグの形が日本と欧州で異なれば、日本仕様の電気自動車はそのままでは欧州に輸出できない。日本が採用する規格が、そのまま国際標準となる 方が有利であるのは明らかだ。今のところ日米欧の企業の仕様はばらばらだが、欧州委員会の主導でEU域内の企業がひとつにまとまれば、国際的な影響力は高 まるだろう。

 EUは経済統合を通して、工業規格や安全基準を統一する経験を積んできた。域内で蓄積したノウハウを対外的な交渉にもいかし、国際標準化機構(ISO)などの国際機関で大きな発言力を握っている。

 日本企業はハイブリッド技術で米欧に先んじたが、電気自動車は実用化の途上にある。企業間の優劣の差はまだ明確ではない。国内でも、東京電力の主導で、急速充電の規格統一を目指す協議会を設立する動きが出始めたばかりだ。

 電気自動車が主力となる時代がいつ来るかは分からない。だが本格的な実用化の前の段階から、国内だけでなく世界市場をにらんた規格づくりの戦略が重要である。国際標準の獲得競争に出遅れてはならない。

2010/03/05 NIKKEI NET 全文引用
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20100304ASDK0400504032010.html

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日経社説 温暖化対策法案で原発の推進策を示せ(3/3)

2010年3月4日木曜日

 政府が今国会に提出を目指している地球温暖化対策基本法案で、原子力発電の扱いが定まらない。連立政権を組む社民党が原発推進に難色を示しているためとされる。


 鳩山政権は米中などが意欲的な目標を示すことを前提に、温暖化ガスを2020年までに1990年比で25%減らす目標を掲げる。その達成へ二酸化炭素をほとんど出さない原発の役割は大きい。同法案で原発の推進策を明確に示すべきだ。

 国内に54基ある原発は日本の発電量の26%(07年度)をまかなっている。原発から出る二酸化炭素は建設から運転、廃炉まで含め石炭火力の45分の 1、最新鋭の液化天然ガス(LNG)火力の25分の1以下と少ない。発電コストも1キロワット時当たり6円と、火力発電のほぼ半分だ。

 太陽光など自然エネルギーの普及は重要だが、エネルギー全体に占める割合は今は1%強で、コストを抑えて安定供給するには課題がある。

 麻生前政権が20年までに温暖化ガスを05年比で15%減らす目標(90年比で8%減)を示した際、経済産業省は発電量に占める原発の比率を40%に高める必要があると試算した。温暖化ガス25%減なら、原発の比率をさらに高めなければならない。

 民主党は先の衆院選のマニフェスト(政権公約)で原子力について「安全第一に、国民の理解を得ながら着実に取り組む」と記した。社民党の反対を理由に原発に消極的な姿勢を取るべきではない。

 政府はまず、18年度までに予定される9基の新増設が着実に進むよう後押しする必要がある。新潟県中越沖地震の影響で60%まで低下した原発全体の稼働率の回復も急務だ。

 法案づくりと併せて進める行程表で、原発の発電比率や稼働率の回復などの数値目標を盛り込むのが望ましい。稼働率をピーク時(98年度)の84%まで戻すだけで、温暖化ガスは現状に比べ5%減る。欧米のように原発を運転したまま検査できるよう安全規制も見直すべきだ。

 鳩山首相は、ベトナムが計画する原発建設で日本企業が受注できるよう自らトップセールスに乗り出す意向を表明した。日本の原発技術は海外勢と十分に対抗でき、低炭素化と産業競争力の強化を両立させる柱になりうる。

 国内で原発の新規着工は80年代に23基あったが、2000年以降は3基に減った。技術を受け継ぐ若手人材の不足や関連企業の雇用減少が懸念されている。原発の安全性を確保するためにも、原子力の持続的な利用を促す政策が欠かせない。

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日経社説 世界に躍進する韓国企業に学ぼう(3/4)

 韓国企業の世界市場での躍進が目立っている。電機、電子産業を中心に、日本企業の低迷を尻目に競争力格差が開く。韓国勢の強さを謙虚に受け止め、学ぶべきものは学ぶ必要があるのではないか。


 日本国内では目立たないが、世界に目を向けると、韓国企業の台頭ぶりに驚かされる。薄型テレビの2009年の世界シェアは、1位がサムスン電子、LG電子も2位に浮上した[1]。半導体でもパソコンなどに使うDRAMでサムスンが1位だ。

世界シェア上位相次ぐ

 フィンランドのノキアがトップの携帯電話も、2位のサムスン、3位のLGが世界販売を伸ばしている。乗用車は現代自動車が成長市場の中国で2位、インドでも快走する。

 業績も好調だ。サムスン電子の09年の連結営業利益は前の期に比べ9割増の10兆9200億ウォン(約8700億円)。10年3月期の営業利益予想が日本の電機業界で最も大きいパナソニックでさえ1500億円だ。

 サムスンとの収益力の違いは明らかで、09年に円換算で約3300億円の営業利益をあげたLG電子にも及ばない。日本の電機の営業利益見通しは大手9社を束ねても6400億円どまりだ。

 世界同時不況の影響を受けた点では、日本も韓国も変わりない。韓国勢が躍進した要因のひとつに、通貨ウォン安の追い風が挙げられる。ウォンはリーマン・ショック以降、円に対し大幅に下落。日本と競合製品が多い韓国企業は、輸出市場での価格競争力を強めることになった。

 もっとも、為替効果という外部要因だけで韓国企業が競争力を増したとみるのは間違いだ。3つの自助努力がある。まず不況下での積極投資を含めた大胆かつ 迅速な経営判断、次に高付加価値の商品を集中的に投入する販売戦略、そして先進国のみならず、アジアやアフリカも含めた新興・途上国市場をくまなく取り込 む地道な海外戦略だ。

 新たな売れ筋商品、LED(発光ダイオード)テレビは明暗を分けた典型だ。薄型テレビのバックライトに蛍光管ではなく、電力消費が少ないLEDを使った LEDテレビは、技術でも販売開始でも日本企業が先行していた。しかし、サムスンは米国市場に新商品として大量投入し、8割を超えるシェアを確保した。

 日本勢が次世代の戦略商品とする3次元の3Dテレビでは、サムスンがパナソニックに先駆け、韓国内で販売を開始した。技術力やデザイン面の日本の優位性がほとんどなくなった現状では、商品化のスピードがモノをいう。

 サムスン、LG、現代自動車グループなど、韓国の代表的な企業集団は、オーナー経営者が率いる。迅速な投資判断などで、日本はまねできない面もあるが、海外市場開拓にかける意気込みと決断力、地道な努力は日本企業も参考にすべきものがある。要は危機意識の違いである。

 人口が日本の半分に満たず、経済規模も日本のおよそ5分の1の韓国では、企業は海外市場に持続的成長の活路を求めるしかない。現にLG電子の海外従業員は全体の7割近くを占め、LGやサムスン電子の海外売上高比率は8割を超える。

 韓国は国内市場の競争で競合企業が少ないのも特徴だ。1997年のアジア通貨危機を契機に、政府主導で大胆な事業集約を進めた結果である。現在、現代自 動車グループの国内シェアは7割を超える。国内の同一業種で多くの企業がしのぎを削る日本と違い、韓国企業は国内で稼いだ利益を研究開発や設備投資、さら には海外市場開拓に回せる。

日本も競合企業集約を

 経済産業省によれば、韓国は日本より国全体の市場規模が小さいにもかかわらず、主要企業1社当たりの国内市場規模は、乗用車が日本企業の1.5倍、携帯電話は2.2倍だ。日本では携帯電話でシャープなど主要6社が競うが、韓国はサムスン、LGの2社が圧倒する。

 日本は人口が減り内需縮小が避けられない。競合企業が国内で消耗戦を続け、わずかな余力しか海外に振り向けられないようでは、韓国企業に追いつけない。業種別の再編集約を通じ、規模の利益を通じた集中投資や海外への資源配分を強める経営戦略も、真剣に検討すべきだ。

 産業構造が似通う日韓の企業連携も課題だ。特に、技術の模倣に積極的な中国勢の攻勢は、日韓共通の脅威である。日韓の民間レベルでの連携や協力が進めば、停滞する日韓の自由貿易協定(FTA)交渉を促すことにもなろう。

 アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の原発建設で、韓国勢が官民一体で受注したのは記憶に新しい。韓国政府は海外でのプラント受注に限らず、半導体など得意分野の技術支援も進めている。日本政府もグローバル戦略産業の育成にもっと目を向けるべきである。



__________

1.

[1]朝日「薄型テレビの世界シェアの推移」

2. 09年の連結営業利益

サムスン:8700億円

LG:約3300億円

松下:1500億円

日本の電機大手9社合計:6400億円

3. 韓国勢が躍進した要因

1)通貨ウォン安の追い風

2)不況下での積極投資を含めた大胆かつ 迅速な経営判断

3)高付加価値の商品を集中的に投入する販売戦略

4)新興・途上国市場をくまなく取り込 む地道な海外戦略

4. 日本企業との違い

1)経済規模は日本のおよそ5分の1

2)代表的な企業集団はオーナー経営者が率いている

3)海外市場に持続的成長の活路を求める

4)国内市場の競争で競合企業が少ない



その他

官民の一体感

国内市場の奪い合いによる疲弊


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日経社説 責任重大な第一生命の上場

2010年2月28日日曜日

 第一生命保険が4月に、保険契約者一人ひとりが会社の所有者となる相互会社から株式会社に衣替えする。東京証券取引所にも上場する。株主数は約150万人と日本最大になる見通しだ。上場の責任は重い。

 株式会社化は、蓄積してきた利益を株主資本とし、それを裏づけに株式を契約者に無償で割り当てる形をとる。株主となる契約者は保険金を受ける権利を持ちながら、株主総会で経営に対して発言できる。

 上場の第1の目的は、経営の選択肢を増やすことにある。上場によって、公募増資や社債の発行など多様な資金調達の道が開ける。株式交換による企業買収も可能になる。

 外部の株主の期待に応えるには、企業としての成長戦略を示すことが欠かせない。人口の減少で国内の保険市場は縮小している。欧米勢のように、中国など新興国に打って出ることが有効な選択肢となる。

 第2の上場目的は、財務の健全性を高めることだ。上場を表明したのは2007年12月だが、金融危機を経て、保険会社にとって資本増強の必要性は一段と高まっている。

 日本には、保険会社版の自己資本比率規制である「支払い余力比率規制」がある。保険金の支払いが膨らむリスクに対し、自己資本と有価証券の含み益をどの程度持っているかを測る。第一生命の前期末の支払い余力比率は768%と、警戒水準とされる200%を上回る。

 この規制は12年3月期に大幅に強められ、第一生命など大手生保の比率は現状の3分の2程度に下がるとされる。世界の保険監督当局が参加する保険監督者国際機構も、統一の規制づくりを始めた。グループ全体で十分に資本の厚みがないと、積極経営もままならない。

 上場には、経営に規律を与える効果がある。相互会社の社員総代会は、保険契約者が希望しても必ずしも出席できるわけではない。上場企業の株主総会は原則的にどんな株主でも出席できるだけに、経営を多角的にチェックできる。

 保険会社は契約者に保険金を確実に支払わなければならない。リスクを伴う成長戦略を求める株主に、保険という業務の特性を説明する責任が、上場後の第一生命にはある。


NIKKEI NET 全文引用
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20100227ASDK2600A27022010.html

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